サガン鳥栖(以下鳥栖)に0-1での完封負け。またしてもアウェイで勝てず、久しぶりの敗戦になった。無得点試合も第2節以来である。前節までの7試合の過程で、良い面も悪い面もいろいろあった藤枝MYFC(以下藤枝)だが、今節は良い面の印象が薄い試合だった。シュート数、特に枠内シュート数が少なく、得点の期待感が高まらないまま終わってしまった。対戦相手の鳥栖が良いパフォーマンスだったので藤枝の良い面が封印されてしまった、ということもあるだろう。しかし、それでもやはり今節の藤枝は悪かったと思う。では、具体的にどのようなところが悪かったのだろうか?
以下、この試合で藤枝に対して感じたことを書いてみたい。
●パスのミスが目立った。そのため、本来なら継続されるべき攻撃が途絶えてしまうことが何回もあった。
成功させて欲しいパスなのに、味方に合わなかったり、相手にカットされてしまうことが多く、藤枝の攻撃がそこでストップしてしまう場面が大変多かった。勝手にカウントした限りでは、15回ぐらいのパスミスがあった。ミスの内容として鳥栖の選手にカットされてしまうミスが目立つ。藤枝のパスは狙われていたようだった。鳥栖側とすると、あえてパスを出させておいてカットするプレーは意図していただろう。でもたぶん、そのような駆け引きは普通にあることで、問題は藤枝側に動きの中でパスを受けるプレーが少なかったことだと思う。それが原因で鳥栖の守備にハマってしまいパスカットが多かったのだと思う。また、そもそも味方に全く合わないパスミスもあり、パスの出し手の単純なミスのように見える。しかしこれも「そこへ動いてくれるだろう」と出したパスに受け手が動いてくれていない、という現象だったのかもしれない。とにかく、今節の藤枝の攻撃には流動感が足りないと感じた。相手の予測の範囲内で攻撃して、相手に捕捉される運動量で攻撃しているように感じた。人が流動的に動くことでパスコースとスペースを作り、そこに長短のパスとドリブルを組み合わせて攻撃を継続させていく、良い時の藤枝の姿があまり見られなかった。
●セットプレーでゴール前の混戦になり失点した。以前にもセットプレーからの混戦で失点する、似たようなシーンがあった。
前節でセットプレーの守備力が向上したように思ったが、今節で再びセットプレーから失点してしまった。失点場面を改めて見ると、まずは鳥栖の選手に対してきちんとマークについて同数で守り、その上で中川選手を余らせている。また、キックされたボールにも最初に触っている。しかし大きくクリアできなかったことでゴール前の混戦になってしまった。ここで当初のマンツーマンを維持徹底すれば失点の危険性はまだ少なかったはずだ。しかし、鳥栖の1人の選手にフリーで動かれてしまう。最もニアサイドにいた選手が回り込みながら中央に入り込む。その動きに藤枝の選手は誰もついていないのだ。そこからマークが1人づつずれていき、最終的には、久富選手のマーカーだった鳥栖の井上選手がフリーになる。そしてシュートを打たれている。セットプレーの守備については、再度、何回でも精査して欲しい。試合ではその守備機会が必ず発生するのだから。今シーズンのセットプレーでの失点パターンは、今のところ「相手に先に触られて、こぼれ球を決められる」「フリーになる動きをされてマークがずれて失点する」の2パターンだ。今後、同じような失点はしないように入念な対策を望みたい。
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