2023 J2リーグ 第13節 藤枝MYFCー大分トリニータ(現地観戦)

Jリーグ

2023年5月3日(水)@藤枝総合運動公園サッカー場

ゴールデンウイークの快晴日、藤枝MYFCのホームゲームを現地観戦しました。

現在6位の藤枝MYFCは直近の5試合、3勝2分けと安定した戦績です。
しかし、今節は杉田選手が出場停止の上に、中2日での試合のためコンディショニング面で不安があります。

一方の大分は4位ですが、直近の5試合を2勝3敗としており、やや苦戦している状況。
現在3連敗中のため、今日の試合では是非とも勝ち点3が欲しいはずです。
しかし、大分もDFのペレイラ選手と香川選手が出場停止のため、最終ラインを再編して臨みます。

どちらのチームも3-4-2-1のシステムであり、ボールを保持しながらパスをていねいに繋いで攻撃するチームスタイルです。

同じスタイルを志向するチーム同士の一戦。
自分達らしいパフォーマンスをより発揮して、主導権を握るのはどちらなのか楽しみな一戦です。

【観戦席】
メインスタンドのSA席で観戦しました。
SA席はピッチに近いゾーンの席で、選手のプレーをより間近に見ることができます。

ピッチとの距離が近いです。

【試合開始】
こういう試合をミラーゲームと言うんだろうか。
同じようなせめぎ合いが、左右の陣地で交互に繰り広げられている。

例えば、ゴールキックからリスタートする場合、1トップと2シャドーがハイプレスに行く。
そこをGK、3人のDF、ボランチを使ってかいぐぐり、ボールを中盤へ進める。

中盤では地面を転がるパスを多用して、ボランチ、2シャドーの4人が連携を見せながら1トップへくさびのパスを入れる、あるいは裏のスペースへ走らせる、またはサイドのWBへ展開する。

そのような攻撃に対応して、守備側のチームは攻撃側の各選手へチャレンジする。

両チームが同じシステムのため、基本的には攻撃の選手にマッチングする守備の選手が存在する。
フリーでボール保持できるような局面が少ない。
従って、中盤の攻防では1対1の場面が連続する。

そのようなシビアな中盤を何とかくぐり抜けて、アタッキングサードへ進んだとしても、待ち構える最終ラインとGKの牙城を崩すことは難しく、なかなか決定的なチャンスは生まれない。
ボールがゴールラインを割ってしまったり、GKにキャッチされる、あるいはDFからGKに戻されてしまう場面が多い。

すると攻守が入れ替わり、守備側だったチームのGKから攻撃が始まるわけで、攻撃の方向を変えて見た覚えがある同じような展開が再現されるのだ。

お互いのチームスタイルが真っ向からぶつかり合う試合展開のまま、30分が過ぎようとしていた。

【28分】
一度は攻撃を跳ね返された大分だが、右サイドで拾ったこぼれ球をフォローした⑲上夷選手に戻す。

上夷選手はフリーでクロスを入れる。そんなにスピードはなかったが、スピンが掛かり高い位置から落ちてくるような良いクロスだった。

そのクロスに合わせるように⑬伊佐選手がサイドステップで藤枝の選手の背後に回り込む。
巧みなポジショニングから放ったヘディングシュートは上手くミートしなかったが、サイドネットへ向かって飛んでいく。

藤枝⑯山原選手がスライディングで飛び込んだが、クリアすることはできなかった。

藤枝MYFC 0-1 大分トリニータ

【36分】
大分のスローインを山原選手がヘディングでクリア。
そのボールを⑩横山選手が収めてドリブルを開始する。
右足で保持して、体を左右にずらすフェイントを入れながら突破する特有のドリブルだ。

スルスルとペナルティエリア内まで侵入して、DF2人の間をくぐり抜けて前進しようとするが、
体を入れられて止められてしまった。

【39分】
大分が、敵陣で小気味よいダイレクトパスをつなぐ。
その流れで、右SBの⑯茂選手を走らせる。

茂選手はゴールライン際からセンタリングを送る。
走り込んだ⑤中川選手に合うも、藤枝⑦水野選手がきちんとマークしていたため、強く足を触れないシュートになってしまい枠を外してしまった。

【42分】
藤枝GK㊶北村選手のロングキックを、大分の右CB上夷選手がヘディングでクリア。

クリアボールを拾った藤枝⑨渡辺選手が、浮いているボールをシュートする。
縦回転が掛かったボールは、肉眼ではっきりとわかるほど鋭く落ちて枠を捉えたが、GK高木選手がパンチングでセーブした。

【49分】
大分の⑩野村選手が、藤枝の守備ブロックの外側でボールキープする。

そこへ、DFの上夷選手が直線なランニングで、ペナルティエリア内に侵入する。
すかさず野村選手からパスが送られ、上夷選手はゴール前へ短く折り返す。

その折り返しを受けた中川選手はシュートしないで、更にファーサイドに流れるグラウンダーのクロスを送る。

⑱藤本選手がフリーで決定的なシュート!

このシュートをGK北村選手が、横っ飛びのキャッチングでファインセーブした。

【50分】
藤枝が左サイドで、山原選手→榎本選手→水野選手→山原選手とダイレクトでつなぎ突破する。

ゴールに迫る山原選手は、ペナルティエリア内をダイアゴナルランした渡辺選手へパスするが、
少しボールが大きくなってしまい、大分③デルラン選手に対応されてしまった。

【58分】
藤枝が自陣の右サイドからパスとドリブルを混ぜながら移動。
移動先の相手陣地左サイドで連携を見せる。

③鈴木選手→渡辺選手→榎本選手と渡ったボールを、最後に渡辺選手がペナルティーエリア内から右足インステップでシュートする。

しかし、上手くミートできず、スピードが乗らないボールは左に外れてしまった。

【71分】
ハーフラインの手前から、大分の野村選手が前線の伊佐選手へ長めの縦パスを送る。
しかし、山原選手のマークがあり、フリーでうてなかったシュートは枠をそれて行った。

このあたりの時間帯だが、藤枝の中盤でのプレッシャーが弱まっているように見えた。
得点の欲しい藤枝が、MFの⑰平尾選手に代わりFWの㉘矢村選手を2トップ気味に入れたのと、
横山選手の守備強度が下がってきてしまったことが要因と思われる。

【72分】
中盤を支配され始めてきた藤枝が選手交代で対応する。

FWの渡辺選手に代わり、MFの㉓徳永選手、⑥新井選手に代わり㊷金浦選手を入れて中盤のメンバーを再構成した。

【78分】
大分が、中盤を流れるようなパスワークで突破する。

⑥弓場選手が山原選手と1対1になるが、山原選手が背後で転んだ㉙宇津元選手につまづいて転倒してしまう。

前進した弓場選手はペナルティーエリアに入ったあたりで、横にいた野村選手へショートパスを渡す。

フリーの野村選手はワントラップして狙いすましたシュートをうつ。

しかし、間一髪ですべり込んだ金浦選手が足の先でブロックして決定機を防いだ。

【85分】
GKからボールをつないだ大分だが、ハーフライン付近から㉖保田選手が左サイドの⑰高畑選手へロングパスを通す。

高畑選手は対峙する㉒久富選手の前でワントラップする。
そして、久富選手の背後へ走った野村選手へパスを送った。

野村選手のランニングについている藤枝の選手は誰もいなかった。

野村選手がフリーでセンタリングしたボールに、弓場選手がヘディングシュート。
GK北村選手は反応できなかった。

藤枝MYFC 0ー2 大分トリニータ

【89分】
最終ラインの小笠原選手からのロングボールに、矢村選手が胸トラップで抜け出す。

ゴール左寄りのやや角度がない位置、至近距離から放った左足シュートだったが、
GK高木選手の真正面に飛んでゴールはならなかった。

その後、藤枝は右サイドから集中的に攻撃を仕掛けた。
しかし、得点を挙げることはできなかった。

【チーム別所感:藤枝MYFC】
上位チームの大分とのミラーゲームだったが、藤枝らしいサッカーで拮抗した試合を見せてくれたと思う。

クロスからのヘディングシュートで2点を失ったが、このあたりの失点は想定の範囲内だろう。

それよりも、ビルドアップから中盤を経て、アタッキングサードへ進行する過程での主導権を握り切れなかった印象がある。
そのため、いつものような決定機やシュート自体も少なかったのではないだろうか。

例えば、4-4-2の守備ブロックで迎え撃つチームとの対戦の場合、その守備ブロックの外側でボール保持しながら、ある程度は自分達のリズムで攻撃を模索することができていた。

しかし、今日の試合で、ボール保持者はピッチのあらゆる局面で相手との1対1にさらされていたと思う。
全般的に、そこで主導権を握れなかった。

相手との競り合いで体を入れながら一歩先へ出る推進力、ボール保持者へ寄せるスピード・強度、
こぼれ球への反応、味方へフォローに入るポジショニング・・・

それらの争いで、大分に後れを取る場面が散見されたと思う。

このあたり、藤枝の中2日のコンディションが作用したという可能性もある。
特に、今日のようなミラーゲームでは。

あと、藤枝の売りである両WBが、思うようなプレーをさせてもらえなかった。
連戦と中2日の疲れが出ていたのかもしれないが、相手チームにも対策されつつあるのではないだろうか。

スピードに乗られた状況で対応するのではその時点で不利なので、最初から間合いを詰めてマークされているように思う。
WBが封じられてしまうと藤枝の攻撃力が半減してしまうので、独力あるいは連携で相手の対策を上回ることが必要である。

今日は大分に完敗してしまったが、試合は続く。
次の試合に向けて態勢を整えて臨んで欲しい。

次節:モンテディオ山形(アウェー)

【チーム別所感:大分トリニータ】
3連敗の状況で迎えた一戦だけに、試合開始からプレーの強度の高さを感じました。

特に1トップ、2シャドーの3選手のプレスの強度、走行範囲の広さ、攻守切り替えの速さが際立っていたと思う。
ここで藤枝を徐々に押し込んでいけたのではないだろうか。

あと、単純な技術的ミスが少ない。
そのため、攻撃を継続できるし、悪いボールの失い方をする場面も少なかった。
無駄な守備パワーを使うことが少ないチームだなと感じた。

上位にいるチームの完成度の高さを感じました。

この勝利でとりあえず連敗を脱出したので、今後も今日のような試合運びで上位をキープしていきたいところでしょう。

次節:ツエーゲン金沢(ホーム)

コメント

タイトルとURLをコピーしました